静まり返った地平線、不気味な空。浮かんでいるようで、そうでないような大地、触れれば砕けそうな草木。
道は細く、入り組んでいる。どこからか厳かな、それでいて不吉な声が響いてくる。あれは無念のうちに死んだ人間の呻き声なのだよ、と教えられたなら素直に信じてしまいそうだ。
人気はない。風はなく、ねっとりとした空気が首筋に張り付いて汗が流れた。
「相変わらずだな、ここは」
今まで幾度となく訪れた場所ではあるが、訪れる度に新たな緊張を胸に抱かせる。
「そうだねー」
隣、頭上では呑気に武器の具合を確かめ合っているミスラとエルヴァーン男性の会話が流れている。俺はごくりと生唾を飲み込み、さっきから背筋に感じ続けている悪寒を堪えるのに必死だった。とてもではないが、会話に混じる元気は無い。
俺の隣では、俺の不安を一切関知せず、俺の不安の根幹である男がアホ面で鼻を穿っていた。黒地に金銀の刺繍が入った落ち着いた色合いのシアー装備がなんとも似合わない。こんな奴に着られて、服もかわいそうに……静かな同情を服に感じつつ、俺は思い切り盛大に溜息をついた。
「どうしたの? Uminさん」
「いや……」
折角親しい友人から誘われた冒険、狙うは一攫千金。上手くいけば一気に貧乏生活から脱出できるかも!? と意気揚々と参加を決意したプロミヴォン探索、しかし俺の目の前は既にプロミヴォンの空の色よりもどんよりと落ち込み、三歩先も見えない闇に沈んでいた。
再び、溜息。
「お、でっかいのが取れた」
だからNoco、てめぇ!
その穿った鼻くそを人が見えてないからって背中にこすりつけるのはやめんか!! そして頼むから他のみんな! 気付いてるなら笑ってないでこの黒くてでかい、ちょっとだけあったかいものを取って! お願いだから!!
作・文・構成・時代考証:らとな 転載・改行・天災:Umin なんとらとな先生のあの物語には続きが存在した・・!!らとな先生談話
「これ以上続きはもうないよ?」というわけで続編はUmin先生へとバトンタッチすることになりました。【えっ!?】まあ希望者いないし中止でいいよな
- 2006/09/12(火) 16:51:28|
- デスノーコ|
-
トラックバック:0|
-
コメント:11